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米国の人気フィッシングサイト “タックルツアー” にて過去に面白い記事が紹介されているので要点紹介です。内容はロッドビルドの伝道師 Gary Loomis 氏の新ブランド “EDGE”とロッド製造工程に関係する工場内が紹介されています。’09年にも記事「G.Loomis グラファイト誕生秘話」が掲載されています。この記事は3編を一部に纏めて(remix)あります。


ゲイリー ルーミスが独立”EDGE”する理由

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20年近く前の事だった。彼のロッド会社”G.Loomis”を米シマノに売却して、フィッシング業界から引退するとのウワサがあった。このニュースには世界中のファンが本当にがっかりした。今回はゲイリールーミス氏が友人テリーに語った事を記事に纏めたものである。彼がどのようにロッドをデザインして、このフィッシング業界に君臨してきたかを残して置こうかと思う。


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世界中のアングラーの中で常に最高のクオリティーに君臨し続ける、ゲイリー氏の*ブランクス。’09年の事である。彼のパートナー JON BIAL氏 と “North Fork Composites” ブランドを立ち上げた。今回、私達は運良く彼等の新しい商品 “EDGE” の製造現場に立ち入る事ができた。 *ロッドの裸の状態


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とりあえず、ここで、ウワサの真相を明らかにしておこうと思う。ゲイリー氏はフィッシング業界から姿を消す訳ではなく、彼は再度、ロッドビルダー&ブランクス職人に戻り、フィッシング業界に身を置く事を決めた。”build the best rods available” ‘12年頃にキスラー社からリリースされた Z-BONE シリーズは最高のグラファイト素材によって完成させられたロッド。正に”マジック”という言葉が相応しかった。


ただ反面、全てのアングラーが彼の功績に満足しているという訳でも無かった。何処の誰が、ロッドのブランクスなど欲しがるのか?消費者には商品としてのロッドを提供するのが望ましい。所詮ブランクスだけ有名になっても、消費者には満足させる事ができない。彼は考えに考えた。そこで彼がとった行動は “EDGE”というブランドを立ち上げる事だった。この世にゲイリールミースという名を残す為にも…


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そして彼のニューブランド”EDGE*”の立ち上げは周りの後押しもあり決まった。そして発表する場は’13年の2月バスマスタークラシックでの会場となった。今、彼の工場はパートナーのジョン氏とフル稼働している。*EDGEという意味は一番端という意味で事実上の最後という意味の会社となる。



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ゲイリー氏は言う。ブランクスは「重さ」「力」「アクション/テーパー」の3要素から成り立っている。全てのロッドの性質はこれらのバランス、及び素材の配置や長さで全てが決定される。ブランクスビルディングとはこれらのグラファイト素材を切っては..貼り…とマンドレルで形成されるミステリアスな”レシピ”である。仮にXという会社がY社のマテリアルを使えども、レシピが違えば全く違うモノになる。


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今回、ゲイリー氏が EDGEブランドに持ち込んだブランクス素材は最高級のグラファイト素材。今まで以上に軽く(Ligher) 鮮明(Crips)なロッドに仕上がる事には間違いない。そして巻き方 (rolling)”レシピ”にも独自の新ノウハウが詰め込まれた。


“一つのマテリアルグレードで作られているシリーズロッドは本当にくだらない” ノースフォークのブランスクスは3つのグレードから生産されている。「SM ~ IM ~ HM」SMはスローで柔らかい。HMはハードの最高級マテリアルが使われている。これに隠し味で綿布(scrim)が少し混ぜてある。scrimとはメッシュマテリアルの一種。グラファイトという繊維は性質上、一本一本が色々な方向に目を向いている。そんな素材をメッシュとレジンを上手く使い、真っすぐに向くように巻いていくらしい。


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今の時代は殆どのアングラーがグラファイトのグレード位は直ぐに判断できる。ゲイリー氏の偉業の一つに’90年代にリリースされた GLX シリーズロッドがある。このロッドは軽くて丈夫で人気のあったロッドだ。そしてこのロッドに始めてカーボン素材が混ざっていない scrim が採用された。近年ではこれらの技法は何処のメーカーでも見られるようになった。そしてもう一つの秘密はゲイリー氏の使う圧力機のプレッシャーにある。殆どの会社はプレッシャー値を30~40pslで仕上げるが、彼は200pslで仕上げる。このプレッシャー値の違いこそがノースフォークブランスクス印なのだ。


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ノースフォーク社のHMブランクスだけは、他のログレードブランクスより2割程、値段があがる。理由の一つにマテリアルの問題で昔の取引先よりダイレクトに仕入れている為にだそうだ。また、ノースフォークのブランクスには独自なパターンが付いている、あれはセロハンの模様が転写される為に付くそうだ。


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マンドレルから抜かれたロッドは入念なチェックの元に出荷される。これらの企業理念はゲイリー氏の “build the best rods available” から来る事には間違いないだろう。

special thanks to tackletour.com


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