中古で買取りました マーキュリー シープロ 2ストローク 10馬力/15馬力 船外機 です。今回は 第三者に売却するために オプション加工 を行います。船外機の 調子が悪い… 近所にメンテナンス店が無い… このような ケースでお困りの方はこのような ケースでお困りの方は ムサシオーバーホール (財団法人 尾道海技学院 4ストロークエンジン マリン整備士講習終了認定) まで お問い合わせ ください。近県でしたら ピックアップ からの配達も可能(牽引免許&牽引トラックあり)です。
セルモーターが必要な理由がわかる!マーキュリー シープロ10/15馬力をアップグレード
今回は 小型船外機 (6,8,9.9,10,15馬力) に標準装備 されていていない セルモータースタート(セルスターター) を 後付け装着 します。なぜ これらの船外機に 電動スタート機能 が標準で装着されていないかというと…それは ズバリ 高額定価設定 となってしまうからです。ユーザー側から言わせれば 小型馬力 だからこそ 必要というのが 本音 ではないでしょうか? とくに 夏の暑い日 なんか には大変です。また エンジンを常に正常な状態で整備できている人は少ないです。それゆえに エンジン のかかりがいつも悪いのは アングラー にとっての泣き所でもありますね。
サービスマニュアル参照
船外機や車バイク等には サービスマニュアル なるモノが存在します。これは 仕様諸元 から 電気系統の配図、パーツの組み方から配線の引き回し方、はたまた デカール の貼る位置まで ことごとく 細かく書かれた 電話帳一冊分くらいの仕様書が存在します。特にボルトを締める力(トルク値)は 絶対 です。船外機の ボディ はアルミ素材だったり 熱が掛かって膨張する部分等は トルクが緩めだったりします。これを フルパワー全開力 で締めてしまった個体を買取り、いざボルトを外そうとしたら 折れたりする事があります… そんな時は高額な泣き事となってしまいます。今回の マークルーザー/マーキュリー社は 外国製なので 英語マニュアル です。いずれにせよ サービスマニュアル を参照しながらの オフィシャル で作業を進めます。
まずは サービスマニュアル の ダイアフラム を見てみます。船外機の電動 スタートのメカニズム を理解します。①スタートスイッチ(キー)を押す → ②バッテリー から ソレノイド と スタートモーター へと電流が流れエンジン回転 → ③フライホイール(オルタネーター) が回転して 交流電流 が発生(発電) → ④交流電流が レクチュファイヤ を通して 直流電流に変換 → ⑤直流電流 が ソレノイド の ターミナル を経由してバッテリーヘ充電される…サイクルを繰り返します。基本的には バイク や 車 と 同じです。これらの仕組みを 明確に理解できないと 船外機 の 電装系を ショートさせたり かなり高額(笑)な 勉強代 となりますのでご注意ください。
使用するパーツの紹介
今回の 使用するパーツの紹介です。小型船外機 (6,8,9.9,10,15馬力) は これらの セルモーター部分だけ 部品が装着されないまま 出荷 されています。それなのでそれらを揃えるだけです。①セルモーター ②ソレノイド ③レクチファイヤー です。エンジンを回すだけの 3回路 で構成されています。これにプラス フライホイールギア と ケーブル類 が必要となります。これらの パーツ はよく壊れるので 社外製の パーツ も発売されています。また 取り付けの際には毎度のことながら ステー類が短かかったり 取り付け サイズ が合わない事も よくありますので 自身で パーツを加工する技術(溶接 圧入 切断 等々)が 必要 となってきます。
これが フライホイールギア です。この何処にでも転がっていそうな 単なる “輪” ですが このパーツは非常に 高額 です。これでも 定価5万円程します。理由は CAST IRON(鋳鉄) で作られた パーツ であり 多くの 炭素 を含むため 伸びがなく硬い。スタートモーター の ギア が毎回きつく当たる 箇所 ですので 強固 である必要がある 部品 という訳ですね。
パーツ装着:フライホイールギア
まずは フライホイールギア を取り付けます。スタートモーター のギアがかかる部分を フライホイール に取り付けます。フライホイール を取り外す作業ですが 前回 の ホンダ BF15D編 で紹介してますので そちらを [参照] ください。
外れました!コイル状に巻いた 銅線 が オルタネーター です。船外機の オルタネーター は 小さいので 全然 充電する事ができませんね涙。どれ位の 発電量かといいますと…まずアイドリング(500~700rpm) で0アンペア(!) そして 中速 (4000rpm)で 3.5アンペア です。つまり全速で 約18時間 走り続けて 12Vのバッテリーが 満充電 される計算なんです。[Alternator Ampreres] この 機能 は壊れていると思っている人も多いハズ?!ちなみに マーキュリー社 ではセルモーターセットを購入すると大容量(太コイル線)の オルタネーター が付いてきますので上記の問題は解決できます。
ガッチリ装着。
セット完了からの…
手動スターター の メモリ設定 も標準に合わせておきます。
パーツ装着:ソレノイド&レギュレーター
次に ソレノイドスイッチ を装着します。通称:マグネットスイッチ です。通電すると 磁気 を発生させ 内部 のバネが作動して通電が止まります。つまり 一瞬だけ通電させるための スイッチ です。縦か横でも 取り付け やすい方向 でつけるのが良いでしょう。今回は バスボート用 の モノ を流用したので ステーが必要となり 自作しました。
そして こちらが レクチファイヤー/レギュレーター です。バイクで ライトがつかなくなってしまった時に 疑う パーツはこれです。ボート にも 走行中ライト を 付けたい時にはここから 拾えば良い というわけですね。縦か横でも 取り付け やすい方向 でつけるのが良いでしょう。
規定トルク値で ガッチリ取り付け。
パーツ装着:セルモーター&ケーブル
セルモーターに繋ぐDC用のケーブルですが 12Vのクランキング用でしたら 最低でも 22sq(10mm) の モノが望ましいです。理由は 送電 と 充電 を繰り返すので 8sq(5mm) ですと 高温となり 危険 です。車でもエンジンをかけたまま バッテリーを充電し 火災事故 に繋がった事故も多数あります。
次にスターターモーターのワイヤリング作業です。マーキューリー社は 放送会社 のケーブル信号色と同じく 各電装系 機関のケーブルには 色 が付けてあります。[color code] ちなみにバスボートも同じです。それなので 落ちている パーツ でも ケーブルの色から 何処 の部品か 探る事 ができます。今回 の モーターへ繋がる ケーブル(+) は レッド ではなく イエロー です。ちなみに マイナス は 車と 同じく ボディ となります。
ガッチリ装着!
ちなみに セルモーター が静止している時は 左 のようにハウジングがオフ。電流が流れると マグネネットスイッチ がオンとなり 上部 にコアが 動いて フライホイール を回します。電源バッテリー を モーター に 直結(通称:バッ直) させてもいいのですが 直ぐにモーターが焼けてしまいます。スタート時の “カンカン” という音は コア が動く音であり お馴染みのスタート音ですね。バイクや船外機の セルモーター が壊れやすいのは 構造上 の問題となります。
最終仕上げ&セルスイッチ取り付け
ケーブルの取り回し方も立派な作業の一つです。セクシーワイヤリング!
そして 最後 は キルスイッチ を リレー間 に挟みます。簡単にいうと キルスイッチ が オン になっていないとセルが回らない 仕組み にします。よく琵琶湖でこの ワイヤリング が間違っており キルスイッチ を付けないで エンジン を何回 も何回 も 回して エンジン がかからない!壊れた!という 琵琶湖湖上コント を 繰り返す方が おられます。そんな方はリレーの前に キルスイッチ回路 を回しましょう。
組み付け完了。いきなり電流は流さず テスター で抵抗値を計りながら 検査終了!エンジン がかからない場合の トラブルシューティング は こちら を参照ください。
セルスイッチ には 規格部品 で ネジ が切られており 標準で 15mmの プラスチックナット が付いています。 カウル に穴を 開けて取り付けてもよし!フロント側に 装着、もしくは カギ仕様 に 改造 もできます。
今回は マーキュリー社 のパーツ (1980年代製) を流用して ハンドルの 下側 に装着する事にしました。まずは パーツ を手配!
開封からの…
パチッ!取り付け完了。
こんな感じになります。
そして 作業終了後 には必ず 試運転 を行います。人間が行う作業なので 時として上手くいかない事も必ずあります。全ての動きを試してみて 異常な音がしていないか? や 動作が重くないか? を 必ず 確認します。そして今回も無事作業は 終了 となりました。今回の 作業内容は 100,000円~200,000円 でした。ご希望される方は 店頭 まで お問い合わせ ください。日本全国 迅速に対応可能です!