中古で買取りました サウザー395/マーキュリー30HP馬力 EFI 船外機 です。今回は 第三者に売却するために メンテナンス を行います。船外機の 調子が悪い… 近所にメンテナンス店が無い… このような ケースでお困りの方はこのような ケースでお困りの方は ムサシオーバーホール (財団法人 尾道海技学院 4ストロークエンジン マリン整備士講習終了認定) まで お問い合わせ ください。近県でしたら ピックアップ からの配達も可能(牽引免許&牽引トラックあり)です。
小型船外機の メンテナンス作業 は お任せください。
今回は ①シフトシャフトを外す ②ロアーケース離脱 ③ドライブシャフト ④ウォーターポンプ&インペラ交換 ⑤ロアーケース装着 ⑥作業終了後の試運転 の工程で進みます。マーキュリー社 公式 での インペラ交換時期 は 三年毎 が望ましい とされています。だからといって 三年間 は ノーメンテナンス でよいという訳ではありません。途中、冷却水の 放出 が悪いと感じた 場合 には自身で メンテナンス をする必要があります。過去にも 小石が混入していた 細いビニール紐 が絡まっていた等々 いろいろとありました。いずれも サービスマニュアル を参照しながらの オフィシャル です。同時に 必要 な部品の 型番 も残しておきます。上記 の作業を クリックする事で 記事の アンカーヘジャンプ する事ができます。
マリン整備系おすすめ教材
船外機メンテナンス の バイブル的 な存在となるのが SELOC社 (米国ウェストチェスター) から発売されている 船外機メンテナンス教本。電話帳位の厚さで 各ファンクション毎に 整備手順 がミッチリと書かれています。アメリカのB.A.S.S のメカニックチームも一押しています。全て英語ですが TOEFL550点/TOEIC600点程 とれれば 理解 できるレベルです。ただただ 近年の 最新モノ船外機 は 車と同じく 全て 電子制御 となってきているので 修理は アッセンブリー交換 となり メーカー さんしか 対応(解らない) できないかもしれません。
次に こちら の日本海洋技術専門学校(尾道海技大学校) が 発行 している マリン整備士教本。こちらの内容は少し古いですが 全ての 基礎 と 基本 がミッチリと書かれています。日本国内の マリンエンジン(船外機) 関係は 閉鎖的 で 閉ざされた業界なので貴重な 資料 となります。ちなみに こちらの学校では マリンエンジン整備士 と マリン船体整備士 の講習、民間資格認定を行っている。区分を 1~3級に分け、16歳以上なら 誰でも受けられます。
インペラーとは ~役割と働き~
その前に予習です。ケーシング内に 収められた数枚の ゴム製 インペラ を 回転させて冷却水を圧送するポンプを ヤブスコポンプ といいます。インペラ は ケース と 絶えず擦れ合って回転しているため、インペラ の寿命が短く 消耗品扱い となる欠点はあるが構造が簡単で自吸性があり低速から高速回転まで確実に冷却水を圧送出来るため、中小形機関の 冷却水ポンプ として広く用いられている。大日本舶用軍事機関整備士指導書 より
今回の メイン で使用する グリス の紹介です。マーキュリー社 2-4-C (92-802859A1) グリス です。耐磨耗、耐水性に優れた テフロン入り マルチタイプ の グリス です。テフロン が入っているので 錆止め から コーティング 等にも 使用 できます。ボルト に塗ってもよし ギア に塗ってもよし です。とにかく 何処にでも使える グリス なので 一本 持っていて 損は ありません。欧米人の ケミカル剤 に 関しての 知識と歴史 は ピカイチ です。
シフトシャフトを外す
まずは シフトを切り替える シフトシャフト(コネクティングロッド) を外します。マーキュリー社は スプリングピン(割りピン) が 圧入 されております。これらを外す 道具 なる モノ は 正式 には 発売 されておりません。自分で オリジナル の治具 (ジグ) を作成する方、他社製の モノ を流用する方等々… とりあえず 気を付けないと いけない事は なかなか 外せない からといって 無理やり作業を行なって 壊してしまう事です。よく ガビガビ にしてしまうような 作業 を進められる方が おられますが…完全に NG です。
自分の場合は ピンポンチ なる道具を使用しています。今回は 2mm幅 のモノを用意、これを 割り ピン に当てて軽く叩きます。ただ 長いと 叩く 時に安定しないので 先端 を カット しています。
次に 根元に “当て木” を用意しました。動かないように 固定します。
そして 割りピン に ポンチ を 垂直 に当て コンコン と 2.3回 で 勝負 をつけます。
外れました。とりあえず 落として無くしたり、傷を付けてしまう事も あると思うので 予備 を 用意 しておいてもいいかもしれませんね。過去には振動で外れていた方もおられました。こちらは シフトロッド ロールピン 3.2x12mm 製品番号:7-16179 80円 です。
ロアーケース離脱
いよいよ ロアケース を外すのですが まずは ロアーケース を置く台を用意します。海洋整備士さんは 専用の ロアケース台 を作っていますが…なかなか ワンオフ で制作 するには いかないでしょうね。オススメ は ホームセンター に売っている 作業台 です。これ 非常に 便利 また低価格な優れモノ!
まずは メガネレンチ からでの作業にて ロアケース(ユニット) を止めている ボルト4本 を外します。この ボルト類 は固着して 硬かったり よく折れる事があります。(特にソルトユーザー) それなので 定期的 に外す事も メンテナンス の一環作業となります。ボルトは一本を残して ゴムハンマー で ロアケースの外側を 軽く叩きながら 外します。ボルト1本 を残すのは いきなり ロアケース が落ちないようにするための 保険 です。
外れましたよ からの 作業台 にセット。
ドライブシャフト
その前に ドライブシャフト のお掃除です。ここはとても 重要 な 場所 であり 高回転 高トルク で回る エンンジン の 動力 を ダイレクトに 伝える 背骨部分 です。ゴミ とか カス とか 絶対につけてはいけません。中古で エンジン を購入した際、もしくは 一年に一回 は 絶対に 見たい所 でもありますね。
古いグリスを 取り除くと 根元にも カス が残っているので シッカリ と 汚れ を 落とします。
ウォーターポンプ&インペラ交換
次に インペラ を交換しますので ウォーターポンプ の ハウジング を外します。
こちらが この 船外機に使用されている インペラ と下部の ガスケット(パッキン) です。ガチャポンの オマケ みたいな パーツ ですが とても 重要 です。パーツは 4スト ウォーターポンプ アッパーガスケット 製品番号:27-16158010 210円 と インペラー 16.8×44.0x20.0 製品番号:47-161541 1,730円 です。交換方法は 前回のホンダ編 と全く同じとなりますので こちら を回覧ください。
いよいよ組み上げます。そして ここからはとても 重要作業 となります。船外機や車バイク等には サービスマニュアル なるモノが存在します。ボルトを締める力(トルク値)は 絶対 です。ウォーターポンプ の ハウジング の ネジを締める トルク値 は 6.8N・m (ニュートンメーター) です。非常に緩い事がわかりますね。
同時に ボルト の掃除も行います。よく ボルト や ネジ も 新品 に変えた方が 良い のではないかと 思われる方も多いですが 必要 はありません。理由 は 船外機は 殆ど の重要 な 部分の ボルト には 焼き(ヘッドに 7 とか 8 と記号の入った) が入っており しっかりと 強度 があります。それなので 舐めたり 曲がったり しない限り交換する 必要 はないでしょう。ちなみに ホームセンター で売っている ボルト は 最低強度 の モノ です。今回も ロアケース を止めている ボルト には スレッドコンパウンド を塗ります。
まず ボルト は指で締めれる所まで締めます。そして 対角線上 に締め上げます。通称:海洋整備士用語 大日本海軍締め です。必勝の 日章旗 を表しているようです。欧米では 螺旋状(スパイラル状) に締めるのが 一般的 のようです。*エンジンメーカーによって トルク値(N/kg) は違います。かならず最寄りの マリン整備士 が 在籍するショップでご相談ください。
ロアーケース装着
いよいよ。組み付けますが…このドライブシャフトハウジング(長靴) の 中 をみてみます。
左の奥の穴に ドライブシャフト、右下側が ウォーターチューブ(冷却水パイプ) となります。チューブ(パイプ) は 銅製 で 動くので ズレたまま ハメてしまうと 冷却水 が上まで 供給されません。そして ドライブシャフト が上手くハマらない 場合は スプライン(ギア) の 内歯 と 外歯 の 溝を合わせる 必要 があります。
ギアハウス ハウジング の ネジを締める トルク値 は 54.2N・m (ニュートンメーター) です。
上手くセットできました。しっかりと 合体 した時には ヌプッ と音が出ます。そして ボルト もまずは 手で 仮止め できる ところまで行います。30馬力位まででしたら 一人でできますが 60馬力以上ともなると エンジンハンガー なる モノ が必要となっています。*エンジンメーカーによって トルク値(N/kg) は違います。かならず最寄りの マリン整備士 が 在籍するショップでご相談ください。
そして最後に 割りピン に付けるのですが 今度は ニードル(ケガキ針) にセットします。
そして ズボッ と入れて ペンチ で挟み込んで 完了 です。
作業終了後の試運転
そして 作業終了後 には必ず 試運転 を行います。人間が行う作業なので 時として上手くいかない事も必ずあります。全ての動きを試してみて 異常な音がしていないか? や 動作が重くないか? を 必ず 確認します。そして今回も無事作業は 終了 となりました。サウザー395 カーペット張り替え編 サウザー395 プラグ&オイル交換編 もあります。