
今回は、カルカッタコンクエストなどの丸型リールに多く見られる故障症状「クラッチが非常に硬くなる現象」についてです。リールが発売されて 既に20年以上が経っておりますが 未だにあまり知られていなく メンテナンスやグリスアップを行っても全く動作に改善が見られない方に確認していただきたい箇所です。
クラッチの動作は、クラッチレバーと内部のプレートが連携しています。もちろん、内部のグリスが切れたり汚れが溜まったりすると、動作が悪くなります。動作が少しでも重くなったらメンテナンスを行うのが改善策ですが、そのまま放置しておくと二次的な故障が発生する可能性があります。よくある症状は ①クラッチスプリングの破損 ②クラッチレバーの破損 ③クラッチプレートの曲がり です。要するに周辺全部壊れます。
特に、シマノ社のカルカッタコンクエストなどの丸型金属ボディは剛性が高く パーツの動きに逃げがなく クラッチに支障が出やすいです。さらに、クラッチレバーはダイレクトにネジで固定されています。一方、ダイワ社のリールはバーが中通しの設計のため、逃げ(たわみ)があり、これほど多くの症状は発生しません。
そして一番やっかいな問題がこれらの パーツです。写真では解りにくいですが クラッチプレート が曲がってしまっています。ガラス板の上に置くと 0.5ミリ程度の揺れがあります。
こちらも微妙に捻れています。これらを治すのは非常に困難です。
こちらのシャフトも右側に曲がっています。バイクでいうクラッチのガイドピンの摩耗と同じです。力が伝わりにくいため非常に硬くなり、親指が折れそうになるほどです。部品を交換すれば解決しますが、パーツが手に入らないリールについては、早めのメンテナンスが最善の策です。リールのオーバーホール&メンテナンス、修理チューンはお任せください。修理オーバーホールの申し込みは こちら からお願いします。