中古で買取りました ホンダ 4ストローク BF15D-20D です。デコンプ機構 が採用された モデル で スターター(ロープ引き) が 超軽な モデル です。今回は 第三者に売却するために メンテナンス を行います。船外機の 調子が悪い… 近所にメンテナンス店が無い… このような ケースでお困りの方はこのような ケースでお困りの方は ムサシオーバーホール (財団法人 尾道海技学院 4ストロークエンジン マリン整備士講習終了認定) まで お問い合わせ ください。近県でしたら ピックアップ からの配達も可能(牽引免許&牽引トラックあり)です。


小型船外機の メンテナンス作業 は お任せください。

今回は ①ギアケースシム調整仮組み再分解&光明丹ギア噛み合わせ本組み&エア注入 の工程で進みます。マーキュリー社 からの メンテナンスアドバイス によると ギアケース の オーバーホール時期 は 600時間。エンジンヘッド は 1,200時間 が寿命と言われています。それなので 一年間 で 100時間エンジン を 回転させた場合は 5~6年 でメンテナンス時期となります。だからといって その間は ノーメンテナンス でよいという訳ではありません。途中、異音がしたり ギアケース内部 に 水 が侵入した場合には自身で メンテナンス をする必要があります。いずれも サービスマニュアル を参照しながらの オフィシャル です。上記 の作業を クリックする事で 記事の アンカーヘジャンプ する事ができます。


マリン整備系おすすめ教材

サウザー395マーキュリー30馬力 船外機 プラグ交換写真船外機メンテナンス の バイブル的 な存在となるのが SELOC社 (米国ウェストチェスター) から発売されている 船外機メンテナンス教本。電話帳位の厚さで 各ファンクション毎に 整備手順 がミッチリと書かれています。アメリカのB.A.S.S のメカニックチームも一押しています。全て英語ですが TOEFL550点/TOEIC600点程 とれれば 理解 できるレベルです。ただただ 近年の 最新モノ船外機 は 車と同じく 全て 電子制御 となってきているので 修理は アッセンブリー交換 となり メーカー さんしか 対応(解らない) できないかもしれません。


サウザー395マーキュリー30馬力 船外機 プラグ交換写真次に こちら の日本海洋技術専門学校(尾道海技大学校) が 発行 している マリン整備士教本。こちらの内容は少し古いですが 全ての 基礎 と 基本 がミッチリと書かれています。日本国内の マリンエンジン(船外機) 関係は 閉鎖的 で 閉ざされた業界なので貴重な 資料 となります。ちなみに こちらの学校では マリンエンジン整備士 と マリン船体整備士 の講習、民間資格認定を行っている。区分を 1~3級に分け、16歳以上なら 誰でも受けられます。


ギアケース内部 ~ドッグクラッチ~


その前に予習です。エンジンの 動力 は ドライブシャフト → ピニオンギヤ → 前進後進ギヤ → クラッチ → プロペラシャフト → プロペラヘ と伝達され ボート が動きます。Dog(ドッグ)とは2つの device(デバイス) を繋げるという意味。写真は ドッグクラッチ という システム。構造 が 単純 で パーツ点数 も 少ないのが特徴。写真は ニュートラル(中立)状態 で “ドゥル~ドゥルドゥル~” と待機している状態。ニュートラル状態では、エンジン が 回転 している時でも、ピニオンギヤが 前進ギヤ、後進ギヤと常に噛み合っているため、前進ギヤ、後進 ギヤ ともプロペラシャフト上を空転し、プロペラシャフト には 回転力 を伝えていません。手で クラッチレバーを 操作 して 前進後進 を指示します。


パッと見は ギア が動いて 動力の伝達を伝えているように 見えますが 真ん中 中央の クラッチ を シフトカム という パーツ から シフトピン(ブランジャー) が押され 前後にスライドさせて クラッチ の作動 を 可能 とします。それなので ギアケース の 組み上げの際の 噛み合わせ作業(バックラッシュ) はとても 重要 な 作業 となります。ちなみに クラッチの入りが悪い=ギアの擦り減り と憶測する 人 がいますが 必ずしもそうばかりとは 限りません。シフトカム が磨り減っていたり クラッチケーブル が 伸びていたりと 思っているよりも 修理代金 が 安価 な時もあります。


ギアケース ~シム調整~

今回 の 組み上げる ギアケース です。バラす前から ギア類からは 異音等 は発生しておりませんでしたが 前者 が使用している間に プロペラ の 根元 に 大量 の PEライン が 絡まっており 内部に大量 の 水 が入っていました。今回 は 同時に ギアケース の リファイン も行いました。


こちらも メーカー によって若干の作業方法が違うのですが ホンダBF 15-20 の場合は ギアケース内部に 製造番号(Engagement mark) の 刻印 があります。こちらのタイプは #1 となります。


各部のパーツ類を用意。ベアリング は新品に交換、そして ガスケット(ゴムパッキン) も 新品 へとします。これ海外製のエンジンですと 消耗品 が高額、国内製 ですと 少額 で済みます。


こちらがベアリングです。日本製の ベアリング は とても 優秀 です。バラしてからも それ程の大きな クリアランス(削れ) は出きておりません。外国製 の 意味不明メーカー な ベアリングは外周が 削れてしまったり オイルシール なんかも漏れたりします。小物パーツ は あまり ケチらない方がいいかと 思いますね汗


まずは シム調整を行いますので ベアリング の サイズ(高さ) を測ります。


サービスマニュアルを参照します。ベアリング の サイズ(高さ) は 14.9mm でした。製造番号(Engagement mark) は #1 ですので シムは Bシム(0.10mm) と Cシム (0.12mm) が2枚の合計 3枚 0.34m を入れるとあります。0.01mm の クリアランス まで 指示されております。これを ピニオン側(縦軸) と 前進後進側(横軸) で行います。まぁ誰でも下手を起こさないようにと メーカー側 で 予め 設定してくれてある 訳 ですね。


フロント の プロペラシャフトホルダー(軸受け) は ガビってたので 新品 へと 交換 です。国内製は アッセンブリーパーツ(セットモノ) は 安い ので アッセン で 交換する方が 経済的 であり細かい仕事 が 減ります。


これが プロペラシャフトです。マリンのシャフトは 2種類 の 材質 で 形成されています。技術力の 進歩 により 常 に 材質 が変わっているようですが… 左側 の アウトサイド(水側) は錆びにくい ステンレスが配合された 合金鋼。そして 内部側(ギア側) は 更に 硬い焼きの入った 合金 で作られています。また レーシング主体 な マーキュリー社 は 超低炭素鋼 を使用しているらしく ペラ が なにかに ヒット した場合には プロペラシャフト が ねじ切れる という 海外の 修理記事 を良くみます。なぜそんなに柔い素材を使うかというと… シャフトも 超超高回転 で回ると たわみ が発生するから 反力 を逃がすみたいな レーシングチック な 考え方 です。スズキ は ヒットさせると 曲がったり 歪んだりしていますね。まぁ 普通の人は動けばいいので…どっちもどっちですね。which is which XD


こちらの シャフト も当たり面が 14.97mm 以下ですと 使用 できません。また 各 ギアのシャフト内径 にも 17.04mm までと リミット制限 が設けられています。


仮組み ~プロペラシャフトホルダー~

しっかり と 各部グリスアップ しまして…


スポッとね!


パーツ類 は 刻印 がある 方向 が 上 となります。


そして ウォーターポンプハウジング まで組み上げます。インペラ の 組み上げ方法 に関しては 前回の ホンダ BF15編 と同じですので こちら から参照ください。


セット完了! からの ボルト も規定の トルク値 で締めます。まずは プロペラシャフト が 正常に回るかどうか 確かめます。グリグリとね…


再分解 ~光明丹/鉛丹~

そして 再度、ギアケース をバラします。今度は最終作業となる ギアのアタリ を確認します。


ここで 使用する薬剤は 光明丹 です。鉛の粉に色がついた モノ です。


中身はこんな感じとなっております。鉛粉 ですので 毒物 です汗


これを エンジンオイル と 混ぜて液状 にします。


ギア噛み合わせ

液状光明丹 を ギア に薄く塗ります。この色のついた 鉛液 は 表面張力 が高い液体で濡れた面同士が 引き剥がされていくと、表面張力で 液体 が最も 接近した 場所 へ 移動 する科学現象 を起こします。これを 利用して ギアの当たり面を確認するという 訳 です。この他にも 合金の ヒビ割れ検査、クランクシャフトの当たり検査、バルブの当たり検査。なんかにも使われます。


そして ギア噛み合わせ の見本です。下4枚は完全に論外ダメダメ。上の3つが 正常 な噛み合わせです。ギア の 用途ポジション によって 当たり面 を 変える必要がある事 も あります。


まずは 前進ギア を セット してから ピニオンギア をセット。そして バックギア を セットして 規定のトルク値 で ボルトを止めます。そして ニュートラル から 前進、後進 と確認します。ちなみに バックの 調整 を神経質になる必要はありません。理由は バックは 殆ど 使わないからです。


こちらが 前進側 のギアです。噛み合わせ が 若干 つま先側 にきています。なぜかというと ロアケース前方側(オデコ) は走行中に 水圧 で若干の圧縮があり ピニオンギア が 押され持ち上がるので これで オッケー となります。どちらにしても 既に ギアに 当たり面(テカリ) が 出ているので それを 追います。


そして こちら が後進ギアです。こちらも良いでしょう!


そして 再度 ギアケースをバラして ギア についた 光明丹 を洗い流して ギア を組み上げます。その際には ギア類 にも 専用のグリス を塗ります。ギアケース内にはギアオイルが入るので グリスは要らないと 思っている方がいますが NG です。


そして 前後 と 上下 のガタを確認します。熟練工によると この ガタ が需要と言います。でも 皆さん「ガタガタ言うな」と言いますが どちらなんでしょうね。


エア注入 ~ガスケット&オイルシール漏れ~

ギアケース の中には ギアオイル が入るので ギアオイル が漏れてしまったら 全く意味がありません。それなので ギアケース内 にエアーを送りこんで 圧漏れチェック を行います。写真は エアゲージ のついた ハンドポンプ です。電源 が 要らないので 何処でも 使える 優れモノです。その他にも 油圧ステアリング等 の フルード溶液 なども 油送 できます。これに ホースを繋げて 改造 して使います。


まずは ギアオイル のドレンを 片側のみ 締めます。これに ギアオイル交換時 に使用した アダプター をセットします。アダプターについては サウザー395編 にて触れていますので こちら を参照ください。


そして シュポシュポ と空気を送って 1.0Kg/pls まで圧力を上げます。空気が溜まったら 15分 間程 待ちます。気になる部分には パンクの修理と同じく 洗剤水 をかけて 漏れ(泡) がないか確認をします。


特に オイルシール周辺 は重要です。しっかりと 専用のグリスを塗ってから 歪みがないか? ドライブシャフト も揺すってみて 漏れがないか 入念 に確認します。


ちなみに ギアケース内 に 水が入るのはこの オイルシール が原因の一つでもあります。中の円周に スプリング が内蔵されております。ゴムが 経年劣化 で割れたり 緩んだり。プロペラ側 には ライン が巻き込みついて 食い込み 切れたりとかです。数百円ですので 毎回…絶対 に 変えたいですね。


完成!ギアケースの組み付けは ホンダ BF15編 にて触れていますので こちら を参照ください。


ホンダ船外機 BF15D-BF20D タイミングベルト交換写真そして 作業終了後 には必ず 試運転 を行います。とてもスムースになりました。人間が行う作業なので 時として上手くいかない事も必ずあります。全ての動きを試してみて 異常な音がしていないか? や 動作が重くないか? を 必ず 確認します。そして今回も無事作業は 終了 となりました。タイミングベルト交換編 もあります。