調子が悪いとの事で入庫しました ホンダ BABS 4ストローク 9.9馬力 船外機 です。釣り仲間の後輩が修理を頼み探してたそうですが 断られて… たらい回しにされ 当店にピットインです。船外機の 調子が悪い… 近所にメンテナンス店が無い… このような ケースでお困りの方はこのような ケースでお困りの方は ムサシオーバーホール (財団法人 尾道海技学院 4ストロークエンジン マリン整備士講習終了認定) まで お問い合わせ ください。近県でしたら ピックアップ からの配達も可能(牽引免許&牽引トラックあり)です。


ホンダ BABS 9.9馬力船外機の故障原因究明からの復活まで:ムサシオーバーホールの挑戦

調子が悪い原因は パワーが無い との事でしたが 冷却水も チョロチョロ でした。思っていたよりも 重症 です。この エンジンは湖の先輩から譲ってもらったそうで その先輩は どこかのマリーナに捨ててあったモノを譲ってもらったそうです。要するに信頼が “ゼロ” 個体… 新しい15馬力4ストローク の エンジン を購入するのにも 40万円前後 かかります。


これらの20年前の エンジン を修理するには大きな問題が立ちふさがります。それは 修理部品 の在庫が殆どありません。ですが…. アメリカ フロリダ に大量に在庫があったりします。技術仕様書サービスマニュアル は インド、イギリス や 中東圏 に 業者 があります。これらを駆使して修理します。


まずは 各機関の測定ですが 圧縮圧力[過去記事] がとても悪く 冷却水 も途中で漏れています。オイル も 滲み出ており 排気漏れ もありました。各部 が ガタガタ になっており 前者が触ったのか? それとも 自然 となってしまっているのか?理由は解らず 信頼もないので パワーヘッドまで降ろして再度の組み上げでみてみます。


作業内容は過去の作業内容 [過去記事] と重複しますが まずは  コネクティングロッド を外します。


スタッドボルト を緩めていくと…ボキッ と音がして ボルト が折れました。パワーヘッド も グラグラ しています。どうやら 相当回数 ボトムにヒット させているようですね。


エキサイター で抜いてから…


ボルト君達が 伸び伸び でした涙。


左が 新品、右が 20年モノですね。やっぱり 船外機エンジン は 稼働時間 も 大切 ですが フィールド や ボート条件、オーナー様の乗り方が強く反映されますね。それにしても これらの ボルト部品は 優秀 ですね。


アルミボートに積まれている 船外機 の ヘッド は負担がかかっていないせいか オイル交換をしっかりおこなっておれば 壊れる事はまずないと思います。あとは 電気系 (CDIやイグニッション) もよく壊れますが 国内には在庫はありません。


とりあえず 上から 下まで 全部ばらして クリーニング します。そして 交換するパーツを海の向こうへ注文します。


二週間後にパーツが届きました。足りないゴム類のパーツは原付(Dio) や 単車(ゼファー)のパーツを流用します。パーツ番号から寸法を割り出して 再度、パーツ番号 を逆引きすれば パーツが買い求めれます。


オイルパンですが 歪み はなさそうです。ここの合わせ面が歪んでしまうと 合わせ面から オイルが漏れてしまいます。


オイルパン底には長年の垢が堆積しております汗


各部 ゴムパーツ、パッキン

各部の ゴムパーツ類 はこんな劣化しておりました。これでは漏れちゃいますね汗


気持ちいい~


ホィッ!


オイルシールも廃盤でしたので ホンダ社製 違う型番(日本製) で流用します。


ホィッ!


こちらの ゴムホース もこんなに…


こちらの ゴムホース もこんなに… こちらも廃盤でしたので ホンダ社製 違う型番(日本製) を流用します。



こちらの エキゾーストプレート も穴が空いてしまっているので新品へ交換です。


足回りは全部バラします。


消耗部品交換 各部メンテナンス

インペラをばらしからの インペラ&ガスケット 交換 [過去記事]


燃料フィルター交換!


サーモスタット交換!


プラグ交換!


最後は キャブレター の オーバーホール を行います。


とても汚れてましたね。


フロート室 内部のニードル先端が カチカチ に硬くなっていたので 新品へ交換で対応します。


ヘッド組み付け

いよいよ。ヘッドを組み上げるのですが ビス 一本がうまくはいりません。タップで軽くさらってから組み付けます。


ガスケット を セット してから ヘッド を被せます。


そして 必ず 指定の トルク値 で締め付けます。これを間違えると エンジン を壊す可能性があります。*エンジンメーカーによって トルク値(N/kg) は違います。かならず最寄りの マリン整備士 が 在籍するショップでご相談ください。


ホンダ BABS 4ストローク 9.9馬力 ヘッド修理写真異常はなさそうです。


そして 作業終了後 には必ず 試運転 を行います。とてもスムースになりました。人間が行う作業なので 時として上手くいかない事も必ずあります。全ての動きを試してみて 異常な音がしていないか? や 動作が重くないか? を 必ず 確認します。そして今回も無事作業は 終了 となりました。今回の 作業内容は 150,000円~250,000円 でした。